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槍の穂先へ Part2

8月2日(2日目)の夕刻。がんばったご褒美に天候が答えてくれた

午後7時、残照を背に槍ケ岳そびえる

左の瘤は孫槍、中央の針付近がひ孫槍(記憶違いがあればゴメンナサイ)右が大槍。
子槍はこの方角からは見えない。

山荘正面の右前方に穂高連峰

残照の中の常念岳▲も見える

天候回復に喜びの人々が影絵を作る。登頂者ではなく近くの尾根に並ぶ人

歓迎の花はハクサンイチゲ

左:イワベンケイと名前のわからない花

そして朧の月

星も出た。ヘッドライトを点けた登山者も山頂を目指す

この夜、理事長先生の星座観察会で、天の川は見えなったが”夏の大三角””北斗七星””ヘルクレスの真ん中オレンジ星”を確認できた。
明日はさぞかしさぞかし・・・・・

8月3日(3日目)午前4時45分、朝陽を浴びながら登頂開始、おそらく気温8度くらい。
登頂シーンは全く撮影不可だった
5日の朝NHKで槍ケ岳山頂liveがあり、記者の最後の鉄梯子(登頂)を放映していた。
もちろん私自身のアタック画像はないのでテレビ画面を拝借する。

赤い屋根は槍ケ岳山荘で標高3060メートルの槍の肩に建っている。
つまり120メートルの標高差を、岩を掴み、ささやかな足場を確認しながら靴を載せ、えいやっ!と重いお尻を上昇させる。頂上近く鉄梯子を3回昇って・・・

理事長先生の「おめでとう」握手を受ける
祠の前で登頂の記念撮影。思わずホロリと小粒の雨が・・・落ちた
右の彼は今回の青年参加者の亮君、高校2年生

そしてもう一人の少年参加者・浩君(右)は小学6年生

亮君には私の前に後ろにといくつものサポートを頂いた。実に気持ちのいい青年だった。切れ長の目が涼しく「役者の早乙女ソウタ君に似ている」と、ファンであるおばさまが山小屋で話す。
そして浩君も黙って手を添えてくれる頼もしい少年
二人を抱きしめたい衝動に駆られるほど嬉しかった。

長雨と大雪山遭難事故の影響だったのか?もっとたくさんの青少年参加があればよかったと思う。

頂上は狭く30人ばかりしか滞在できない。次々と登ってくるため20分ほどで下山する。
下りは、登りとは殆ど別ルートで降りる。鉄梯子に加えクサリ場が何度も登場し、もう二度と来ることはないだろうゴツゴツとした山肌の感触を味わった。

そんなこんなの山頂での画像は
山荘側からは見えない子槍が朝陽を受けて、黄金色に輝く。
♪「アルプス1万尺 子槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょ」
踊るのは無理だし、第一登れそうにない

常念岳の目線が近くなり、より大きく見える。

昨夕は富士山がかすかに見えたが、今朝はなし

向いの山並みに槍の影が映る。ベテランTさんが急ぎ撮影してくださった。
これが笠ケ岳なのか?または稜線の奥に笠ケ岳があるのか?聞き忘れた

『槍ケ岳開山の祖として知られる播隆上人(ばんりゅうしょうにん)は、
1823年はじめて笠ケ岳山頂から眺める槍ケ岳の素晴らしさに、槍ケ岳の開山を決意し、1828年登頂に成功する』
参考資料:
新田次郎著「槍ケ岳開山」・・・図書館から借りたが文字が小さくて途中で挫折
穂刈貞雄(槍ケ岳山荘当主の父)・・・播隆上人の足あと平成8年NHK教育(こころの時代)の対談記録

その播隆上人像をまつっている食堂で、下山後朝食を頂いた。今朝も勝負食の味噌汁を2杯

さぁて、予定から1時間遅れの下山は最後の正念場だ。

余談
北アルプスブロードバンドネットワークは北アルプス南部18の山小屋が集まって運営するNPO法人。
会員登録(無料、自由なIDとパスワード)をすると各山の気温や天気予報やなど気象情報が閲覧できる。
家族はこのサイトでしめしめ登頂したんだな!・・・と、帰宅後の反応は味も素っ気もない。
しかし参考にはなるし、予定もたてやすい。サイトで行ったつもりの山遊びも出来る。
最近のジジババ登山から、かつての若者登山の復活を期待できるかも・・・・

②頂上の祠の屋根は木の釘で留めてあり、昔の雷よけだったそうだ。—5日のNHK取材から—

③いつも陽気なベテランTさんに「足元不安定なので、ぶつかったらごめんなさい」
「僕は精神不安定だから・・・」
「えぇ、いきなり抱きつかれるのは困るなぁ」

④事務局の若いサブリーダーYさん。彼女にはいつもサポートしてもらっている。
頂上を目指す時「もし私が滑って落ちかけても、助けようとして心中する必要なんかないからね」と他人のいる前で宣言しておいた。

■槍に立つ 思い叶えど 修行かな 

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槍の穂先へ Part1

おそらく登頂出来ないだろうけど、憧れの山だった「槍ケ岳」
2007年7月初めて常念岳の曇天に見えた槍

2008年年7月燕岳ではコマクサのはるか彼方に望めた槍

桜の頃、東山の光城山頂上から見えた穂先・・・と思い出がある

チャンス到来!標高3180メートルを総勢16名(青少年2名、男性8名、女性6名)で目指す

終わってみればこんな行程だった 

所要時間は小休憩(5分)・大休憩(10分)・ランチタイムを含む

8月1日上高地から出発
いきなりテントショップが。国定公園の観光地にこの自由さは西洋人の発想ならでは・・・・

絵画の小品などがあったが、ところでこれってOK?

横尾まではなだらかな道をハイキング気分で歩く  
地質に詳しいMさんから
この道は花崗岩が風化し砕けた細かい砂利道であり、山側にある大きな岩と同じだと言われても信じられない。

そして
およそ176万年前の花崗岩だそうで、向い側にある「W・ウエストン碑」を埋め込んだ花崗岩が、
一番新しい花崗岩であることが、後の調査で分かったと歩きながら話を聞く。

ランチを摂った横尾は涸沢方面と槍方面への分岐点のため大混雑。

橋を渡って涸沢方面へ6割対槍方面へ4割だそうだ。最近は韓国での『槍ケ岳人気』が非常に高いという。
上高地から11キロ、槍ケ岳まで11キロ・・・・やれやれ平地と高山

とうとう雨具の出番となり、ひたすら岩の上を滑らないよう歩き続ける。
石の配置が密で高さが比較的小さいので、短足の私には嬉しい。

青少年登山と名打った槍ケ岳登山なので、初日の山荘到着は2時半頃と、ゆったりしていた。
左:槍澤ロッヂ。改築しても表札は当時のものを掛けているのだろうか
右:明日と明後日の天気予報掲示板。うわっ!絶望的

雨具や衣服を乾燥する部室は満艦飾だ

講座・ミーティングのあとはいつもの車座宴会、17時の夕食と続く。
20時半には消灯。なんもすることないのでふとんにもぐり込むと、バタンキューだった。宿泊者は多いと思ったが、ひとつの布団でゆっくり寝られた。
明け方3時頃か、雨音に目覚め窓に稲光が映る。もう出発準備のパーティの作業音が聞こえる。

さあ我らも出発準備。充実の朝食にみそ汁は必ず2杯飲むべし!。この塩分が登山にいいらしい。
梓川の轟音水流を覗く。7月の降雨量は半端じゃなかった

一瞬樹間に槍ケ岳が顔を出す

2日目は急登コースにつき、気を引き締める。高山病は体調次第では3000メートル以下でも起きるからだ。
きつかった。
グリーンベルト(ハイマツの樹林帯)・東鎌尾根付近は風が冷たく体温を奪われるから1枚を増着。
東鎌尾根は燕岳方面からの表銀座コース尾根で、少しでも体験をと組まれた行程だった。晴天なら絶景なのにと残念がる。

雪渓をいくつか通過

女性の一人がふくらはぎと太腿をつったが、早い通告と的確な処置でまもなく収まった。

2日目のランチを殺生小屋にて。
槍沢ロッヂで調達のばら寿司に、うどんを仲間と半分づつ頂き心と体を暖める。
しこしこの手打ちうどん風だ。
「殺生小屋」の命名由来を調べたが、未だ判明せず。山は猟師の聖域だったから供養だったのかな?

急登箇所をクリアし、ほどなく2泊目の槍ケ岳山荘へ12時半頃だったかに到着
やれやれと嬉しくて疲れて山荘の写真を撮り忘れていたことに今気づく。

当初の予定は山荘到着後穂先へアタックだったが、天候不良にギリギリまで思案。
理事長先生やサポート・スタッフやベテラン・メンバーで協議の上、よっしゃ明日早朝に登ろう・・・に決定。

夕焼けがほのかに窓に映り、それっと飛び出す

余談
北アルプスには”やり三本”
①槍ケ岳3180メートル・・・・・ただいま挑戦中
②鹿島槍ケ岳2889メートル・・・2008年8月4日登頂
③白馬鑓ケ岳2903メートル・・・ムムム

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北アルプス この百年

北アルプスを眺められる幸運な地に住む私にとって、たとえ数山かでも登山できる時間はもう限られている。
8月、槍ケ岳に挑戦することにした。段階を追って山選びをしているが、とうとう2泊3日登山デビューと3180メートル「槍の穂先」に立とうとしている。
今回も松本ヒマラヤ友好会のお世話になる。

菊池俊郎著「北アルプス この百年」文春新書 平成15年発行

北アルプスの開山経緯、営業小屋建設にまつわる話、地元松本や安曇野とのかかわりなど興味深い。
美談だけでなく、山小屋経営という経済活動から経営者間の駆け引きも当然ある。
それらを超えて北アルプスは、全国でも人気の登山コースを誇っている。

槍ケ岳は播隆上人による開山で、JR松本駅に大きな像が立っている。

 躍動感溢れるこの像が好きだ
開明的だった安曇地方の庄屋、村人、杣人(そまびと=きこり)やボッカ達の苦労の上に我々現代人は歩いているのです。

余談
先日の映画「剱岳」に関連して
ある雑誌に宇治長次郎役の香川照之の談話があった。
『山に対して敬虔な気持ちをもち、宗教的なこと、安全面、迅速性、すべてを理解した上で、測量隊をサポートしていく。(中略)ただ登りたい人を登らせてあげる。濾過紙見たいな人ですね』

おまけ1
天候がすぐれない予報である。
理事長先生に「天候が悪いと、また岩場やクサリ場で迷惑を掛けそう」と相談すると
「いや大丈夫。あなたの技量も折込済み」ですって
「すでにマイナス分が計算されているんですね」
「そう」・・・・
先日の八ケ岳・赤岳登山で少し迷惑を掛けているにもかかわらず、「さあいっしょに登ろう」の気持ち掛けは嬉しい。
期待にこたえられるよう気をつけて歩くぞ

おまけ2
たとえ団体パーティでも、自分で事前の地図登山を心掛けている。
どの時間帯と場所が一番高度が上がるのか?到着予定時間は何時か?など・・・体力配分のため。
今朝の朝日新聞に田部井さんの登山の注意喚起の記事が掲載されている。タイムリーだこと。

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ふたりで硫黄岳へ

思い出話

山梨県の友人ともう一度硫黄岳へ登った。
週間天気予報の「曇り時々晴れ」にそれっ!と茅野市桜平登山口(1880m)へむかう。
高速道路は往復ともそれぞれがETC平日通勤割引半額を利用し、茅野市役所駐車場で合流した。

今回は夏沢鉱泉(2000mくらい)~オーレン小屋分岐~夏沢峠(2450m)~硫黄岳(2760m)~赤岩の頭分岐~夏沢鉱泉~桜平コースだ。
いつも私は松本ヒマラヤ友好会から、友人はクラブツーリズムのツアーでと登山をしているが、個人登山は計画通りにゆかない。
予習不足2件
・まず登山口までの到着が遅れあせった。場所がうまく探せず思ったより遠かったのだ。登山開始予定に2時間遅れ
・硫黄岳からの下山は、登ってきた道の反対側から赤岩の頭経由なのに、一たん硫黄岳山荘へ降りたものだから、引き返すのに余分な時間を費やした。

さて気を取り直して前進いや登頂を目指す
しばらくはなだらかに沢伝いを

のどかな樹林帯も

夏沢鉱泉は帰路に入浴予定なので、トイレ休憩のみ
オーレン小屋から夏沢峠をめざす
このあたりまでは比較的のんびりと歩く

夏沢峠到着

風力発電あり

硫黄岳頂上から見おろす爆裂火口を、峠から見上げる

峠から頂上までは急登1時間。ようやく第一ケルンが現れた。間近に見える頂上までが遠い

やれやれ頂上到着。正面に赤岳(右)と横岳(左)

頂上から山荘へ下ると、コマクサが咲いていた

このあと必死で頂上へ戻り、赤岩の頭分岐経由でひたすら歩き、オーレン小屋~夏沢鉱泉へ向う。
オーレン小屋前では地元の中学生の集団登山の団体に囲まれ休憩をする

そして下山予定の3時が4時になるが、鉱泉には入浴した
夏沢鉱泉(ロッジ)には太陽光パネルがある。
ワイルドな浴室で熱い湯に浸かり、疲れが吹き飛んだ

知った花。左:ヨツバシオガマ 右:イチヨウラン(葉が1枚)

知らない花。今も名前が分からない

頂上からの帰路を、通りかかりの登山者に念のため確認したら「八ケ岳で道に迷った人はおりません」と笑われた。

友人はかつて、かの大雪山へ花紀行登山に行ってるので、「花の八ケ岳」には消化不良だったに違いない。
登り3時間(順調)下り3時間(寄り道の往復を含む)は、最後に小雨がパラパラと降ったが無事下山。
再び通勤割引の高速道路利用で帰宅した

準備と予習は大切だ——-
7月14日の山行だったが、16日に北海道大雪山の遭難事故があった。
不安を感じたら撤退する勇気を痛感——

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南八ケ岳縦走

初心者向きコースだというので参加したが、なんのなんのハードでありました
八ケ岳主峰赤岳(右の三角山)ここを目指し美濃戸山荘から北沢コースを行く。
左は横岳

日程表と地図を基に自家製ルート図(イメージ図なので距離は不正確)
方向音痴なので、どこへ行くのか知るために作っている

予定では赤岳から見て阿弥陀岳の手前に見える中岳を越え、コル(窪んだ部分)を
抜け、行者小屋に向うコースだったが、私が岩場登りに時間をかけてしまった。
時間が押してきたので急遽コースを変更し、美濃戸山荘に向って下山した(たぶん文三郎尾根コースだろう)
この道は急勾配+鉄階段+鉄クサリ。時間短縮は出来たがきつかった。

硫黄岳頂上。曇天で360度展望は望めなかった

あと20分ほどで今夜の宿へ到着
硫黄岳山荘は水洗トイレでびっくりだ。
以前皇太子殿下が宿泊されたと記念碑があったが、水洗トイレのずっと前である。
食事はどの山小屋でも充実しており、若者がきびきびと接待してくれる。

もう小屋とはいえない食事を出す山荘もあるという。

翌朝6時半には山荘を出発し横岳に向かう
クサリ場のあるスリリングな行程を経て横岳山頂へ

横岳から赤岳への行程でダウンした。短足に加えて骨や筋肉の硬い身体にはきつ~い。
心臓がパクパクしてきた。
途中ですれ違ったおじさんが「山は初めてかい?」と怪訝な目。
「いえ5山目ですが、こんなきつい登りは初めてでして・・・・」
最後尾を前後4人の男性のサポートを得て、ようやく山頂に到着するも、多分先頭とは30分の差だったろう。
とほほ、迷惑をかけてしまった。しかも赤岳登頂証拠写真もない!

リーダーの先生に「すみません、4人のチャーター料金が要りますね?」というと
「では後日請求いたします」だって
今年8月の「槍ケ岳2泊3日」デビューも危なくなってきた

そんなこんなで遅れた時間はショートカットコースに変更になったが、結果的にはほぼ予定通りの時間で
登山口に戻ってきた。
この変更コースがまたきつかった。高さが半端な鉄製網状の階段が続くのだ。
1歩で降りるには高すぎ、2歩着地だと無駄が出る。全く背が低いのは何かと不便である

自信喪失で余裕なく、弱り目に祟り目カメラのレンズエラーで写真が少ない。

花の八ケ岳といわれるように珍しい花を見た。
左:白馬と八ケ岳にのみ見られるというツクモグサ(オキナグサの仲間だそうだ)
自身では撮影できなかったので、図鑑から拝借画像
右:皆から「見れたらいいね」と期待されたウルップソウ

チョウノスケソウは「咲いてるだろうか?」とベテラン達が心配していた花

私が興味をもったのは
左:おばさんぐさじゃなかった”オサバグサ”
右:ハリブキ。葉の表面にドゲがあり、これは落葉低木だ(撮影が出来ず図鑑から拝借)

左:キバナシャクナゲ。ハイマツにかこまれながらしっかり自己主張
右:ユキザサ(葉の下に小さい花が行列していたが、立ち上がるとこんな感じ(画像拝借)

コマクサはまだやっと眠りから覚めたところ

たくさんの花はあったが、山でお馴染みのものは割愛。
どの花も厳しい冬を越え、我々を迎えてくれる。

目下の心配は、2泊3日登山デビューのこと。やれやれ
私の人生は70年がちょうどいいと思っていた
でももう64歳になってしまった。あと6年・・・か
75歳に上方修正し、迷惑をかけずに行ける登山はあと2年と決意した山行だった

おまけ
どの場面での写真だか思い出せないが、ひ・ひ・人がぽつんと。

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さて大渚山へ

新潟・糸魚川市へ出るほうが近い長野県・小谷村には、名の知れた山がふたつある。
日本百名山の「雨飾山(あまかざりやま)1963m」と、雨飾山を真正面に見る「大渚山(おおなぎやま)1566m」

曇天ながら久しぶりに歩く
駐車場から1時間かけて登山口へ向う
美しいブナ林道をぬけ

左手に大渚山を眺め

まもなくお地蔵さん、新しい彫りのようだ。事故があったのだろうか?

大渚山の登山口は湯峠

そして自然林

大渚山はふたこぶらくだで、これは東峰。我々が到着したのは展望台のある西峰

山頂近くは雪渓を歩く。軽いトレッキングシューズだったのでちょっとまずかった。

モタモタしている格好を撮られる

西峰・展望台へ到着。
これが人気の雨飾山。人気の秘密はロマンチックな名前と360度の展望だ

左へ目を移すと、晴天なら↑ここに日本海が見えるのに

大渚山も360度の眺望なのだが、やれやれ北アルプスはぼんやりだった

余談
「山を想えば人恋し、人を想えば山恋し」
北アルプスへの思いを詠んだ百瀬慎太郎は、大町の出身で北アルプス開拓の先駆者と言われている。
この連山の奥にある針ノ木岳の開山祭は6月に、雪渓を歩き百瀬慎太郎を偲ぶ「針ノ木岳慎太郎祭」が開催される。
山行に少し自信がついたら、来年は参加したいと思っている

大阪在住時、近所のスポーツ店に「雨飾山」と書かれた特大ポスターが貼ってあった。
いい名前だなと記憶していた。
今まさに目の前に・・・・
登る日がおとずれるだろうか?

【8日朝追記】
家族から行方不明者の情報提供の貼り紙がそこここにあった。
5月11日に経験40年のベテラン単独行の61歳男性で、6日早朝釣り人が発見、と報道された。
ベテランでも、新人でも山(自然)を侮らず、畏敬の念を忘れてはいけないと思う。

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似て非なる

先日の大渚山にて

花を見るためのトレッキングには、あまり興味はないが、新しい木や花を見つけるのは楽しい。
晴天だと山々の風景に見とれるが、曇天では思わぬ植物に出くわす。

あっこぶし(モクレン科)の花!
似てるけど違う・・・タムシバ(モクレン科)だそうだ。”た・むしば”と覚える

どれどれ、失敬して花を拡大すると確かに違う。

早いなぁ、もうアジサイ(ユキノシタ科)?  それにしては大木だ
似てるけど違う・・・・オオカメノキ(スイカズラ科・別名ムシカリ)ですって

大きな葉っぱは朴の木(モクレン科)だ!
似てるけど違う・・・・トチの木(トチノキ科)でした。葉がホウの木より小ぶり。
花の形も全く違うそうだ

京都・貴船の美味しい栃餅を思い出して・・・・クスン。
余談:朴葉焼き(ほおばやき)  岐阜県高山の郷土料理だ
茶色に枯れた朴の木の葉に、刻んだ山菜や飛騨牛に味噌をのせて炭火で焼いたもの。香りがよく美味しい

ありゃ、ヒメジオンってこんな形だったっけ?
まったくぅ・・・ちっとも似てない。フキの雌花でした(雄花は黄白色)
ふきのとうは山菜の人気ものだ

一見姿形が違っていても科や属が仲間だったりする。
一番早く失う記憶力は頼りにならないから、分類や体系や組織のコツを掴むのがいいかも知れない。
根性がいるなぁ

そんなこんなで道中見た花々を、帰宅後の楽しいお勉強で花名探索
(自信ないので、間違っていたらごめんやす)
左:イワカガミ  右:マイヅルソウ どちらも山ではお馴染みの花

左:ヤブツバキ 右:タニウツギ
ーぼとんーとおちそうにないところが、普通の椿より好きです
ウツギの種類は多いそうだ

調査に苦労した、つまり自信がない花名
左:サンカヨウ  右:ツバメオモト

ツバメオモトのツバメとは、濃藍色に熟した実が燕の頭を連想することに由来するという。
想像するだに楽しいではないか!

懸案事項:三つ葉のクローバーに似た葉を持つ花が見つけられない
白い花が好きだし、花びらの亀裂がおもしろいので是非!

解決:図鑑をパラパラめくっていたら、あった!
ミヤマカタバミかコミヤマカタバミだが、花の時期から推測して
コミヤマカタバミに決定!   バンザ~イ

たとえ雑草でも名前と個性がある

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標高1000メートルで見たものは?

曇天の中、小谷村の大渚山(おおなぎやま)へ出かけた
標高1566メートルのこんな山です

おそらく標高1000メートルくらい辺りだろう
水溜りにし・し・白い物体が・・・・
蛙なら泡のようなぶくぶくしたものと記憶があった

目測では1個が大人の手のひらに、ちょうど乗るくらいだろうか?

Yahoo知恵袋で教えてもらいました。
クロサンショウウオでしょうとの回答。
ありがとうさんです。

サンショウウオ属(サイト拝借しました)
現場で蛙は鳴いていたが、サンショウウオは見ていない。が白い物体は間違いなし!

両生類の図鑑をもっていないので、大助かり。サイトは判りやすく実に良く出来ています。
クロ君はかわいい”サンショウウオ”というけど、飼育までは無理無理

ちょいトレ(ッキング)でも、帰宅後も十分遊べます

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でっかい鹿島槍ケ岳

超マイナーな山へ里山トレッキング仲間とゆく。
ガイドブック『日帰りでゆく山歩き』を参考にしたが、大町市観光協会でも駅前交番でも
「聞いたことないなぁ~」
ますます行ってみたくなり、登山口を探すがうまく見つからない。

結局ゆ~ぷる木崎湖そばのローソン店内にいた人から「その写真の箇所は今はダメだから、湿原から行きなさい」
やれやれ、居谷里湿原入り口へ移動した。

花の時期が半端だったので湿原はしょぼいため軽く1週。
ミズバショウも数本を見ただけだった

まだ数回しか生で見たことがない”マムシグサ”はサトイモ科で根は有害だ

入り口に戻り再び散策路を行く。途中にあった看板横から山へ向う
どうも山菜やきのこ採りに入る道のようだ

居谷里湿原の木道が眼下に見えるので心配ない。伐採跡や倒木の道を・・・

30分くらいで広い道にでた。きっと見つけられなかった登山口から続く道だろう。

2色のテープが結んであり、その横の小さな赤い標識が目印「居谷里山」とは書いていないが
北アルプスが見える側に目星をつけて分け入ると

まもなく標識発見!遠慮がちに取り付けてあった

 製作名:SMC
SMCは信州山学クラブの略

うわっ!目の前にでっかい鹿島槍。
登山経験のある山を眺めるのは、懐かしく誇らしい気持ちにしてくれる

ヤマツツジとレンゲツツジの淡いオレンジ色が目を楽しませてくれた。
標高920メートル。公に認知されていない里山でした

ちょっと物足りなかったので、白馬八方の「おびなたの湯」へ浸かる
その先の河原から、雄大な山の峰と白い雪解け水をしばし眺めて帰路へ

余談
帰宅後Netでガイドブック発行の「信州山学クラブ」のホームページを見ると、いくつかのコースがあった。

平日のお暇クラブのトレッキングはお気楽ですな
天候次第でフレキシブル日程だ

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サルオガセ

まるでとろろ昆布のような・・・植物です

 3月2日乗蔵高原で撮影
どこからか飛んできたゴミに見える。

サルオガセは猿麻桛・猿尾枷と書く
地衣類の1種という。
yahoo百科事典から引用すると
『地衣体の大部分が菌類の菌糸で構成され、これに緑藻類または藍藻(らんそう)類が共生関係で入り込んでいる生物群。分類学上は菌類の一群として考える場合が多いが、ときには独立した植物群と考えられたこともある』

う~んよくわからんが、どの分野にも不思議なものがあるもんだ

参考
よくわかる説明を栂池高原ホテルの日記から拝借。