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こだわりの左官屋さん

外壁の準備 (5月13日取材)

登場のトラックのステッカーからしてこだわり?
びっちりとめつけたさわら材板に、黒いアスファルトフェルト(主な仕事は防水)をホッチキスで仮止めする。呼び名がわからないので、文具のホチキスに似ているのでそう呼ぶ。その上にラス網をとめつけてゆきます。これがすごい?


ラス網には凹凸がある。理由はモルタルが複雑に入り込んで、壁をより強度にするためである。
一般的な機械うちでなく、手作業である。
ラス網に打ち付ける2回目の留めの深さは1.2センチで、もし錆びても1回目と足の長さが違うので、外れてこないという。われらが左官屋さんの徹底したこだわりである。2回目のホチキスには赤く塗って区別しています。
「自分の家だと思ったら手を抜けないだろう」という考え方だそうです。じつに楽しそうに説明してくれました。
「新潟地震の折、壁が崩れなかったと嬉しい便りがあった」と胸をはる。
彼はブルベリージャムの美味しい作り方を、
?実と砂糖を1:1とするのが大切
?ミキサーで攪拌してはダメ!
?つぶが残る程度に手でつぶすこと
と熱く伝授してくれました。何事にも情熱的である。

数日後
あらまたブルべりおじさんだと思ったら、その息子さんが登場。こちらは全く寡黙。
今度は角々に糸をさげて壁がまっすぐになるよう、そして角がシャープになるよう金具を使って固定する作業。


ブルベリおじさんの息子はかなりシャイなので、年配の左官屋さん(写真右)に聞くと、塗り壁に押し花状態の歯型ならぬ葉っぱの模様をつけることが出来るという。よ~し、庭にある「 山椒 」をデザイン的に散らしてみよう。
自分のうちに咲いてるものの方が記念になると思うし、ついでにぼこぼこと点をあしらって実もつける?
麦穂や稲穂、もみじはきっと他でやってるにちがいない。早速押し花つくりにとりかかろう。うふふ、おもしろくなってきたぞ

6月中旬
壁下地のモルタル塗装が始まる

4人がかりで実に丁寧な作業が繰り返され、エイヤッと2日で完了する


数日後にはもう乾燥して、淡いグレーのモルタル壁になっている。長い間うっとうしかったベールがはがされ、
これで室内も明るくなります


こうして最終段階の吹付け外壁の準備ができました
窓の角に亀裂のように線があるのは、もし衝撃があった場合この溝に逃げて全体的にゆがむのを防ぐそうです

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木工造作  1階主婦室

はじめのカテゴリは「書斎」だったが、こっぱずかしいので家事室または主婦室と呼ぼう
希望に夢ふくらませた部屋だったが、ダクトの収納がこの部屋を通ることが後でわかり、慌てている。さらに本棚を置くちょうど良いサイズがなく、急遽階段下の空間に書庫を作ることにした
いつも棟梁から新しい提案をもらい納得してゆきます。


さてさてダクトを囲んでパイプをどのように隠そうか?
いっそ白のテープか漆喰で巻きつけて、隠すよりみせたほうが面白いと思い始めている。
それなら照明器具にも新しい展開が考えられるし・・・・・俄然楽しくなってきました。

カウンタもすでに出来ています 木材は松
パソコンを置き、アイロンがけミシンかけ、音楽を聴きながら本を読む部屋にという計画だが、
掃除と花の手入れで一日が過ぎてゆくような予感がします

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木工造作 1階寝室とリビング

北壁一面にヒノキ
片流れの1階南の部屋が寝室で、天井は屋根下までオープンになっています。
6帖しかないので空間を設けることで開放感をもたせてあります。北側の壁にヒノキ板が貼ってあり、香りは勿論のこと、
湿気を吸収する力を持っているそうです。


写真右上:クローゼット上部枠組み
舛田さんがとても丁寧にこさえてくれました。
天井のスギ材は塗装なし、このままで仕上がります

6月23日
原口さんの木工工事最後の作品です。ここにも現在利用中の整理ダンスを活用します。奥行きがピッタリで、
やはり大阪から詳細な図面が届いて、無駄のないクロゼットとなりました
原口さんには丁寧な仕事振りと素人カーペンターに根気よく付き合っていただき感謝しています

右側の壁に嫁入り道具(わあ、古い話やな)だった三面鏡の一枚を後日棟梁にはめ込んでもらう予定

リビング東窓のカウンタ
資材がたくさん置いてあるので写真が撮れませんが、窓の下いっぱいに奥行き20センチのカウンタがあります
高さ80センチ。朝日を受けてコーヒータイムとしゃれこむ予定。花鉢を置くとよく育ちそう・・・

リビングのテレビ台
角を利用したテレビとDVDデッキを載せる2階建てカウンタです。
何度も打ち合わせをして苦労した造作です。機器を設置した様子を想像するとゾクゾクする箇所です
あいだの四角い窓は郵便ポストの内側のふた。外から新聞や封書を差し込むとここへ落ちます
冬の寒さに震えない棟梁の絶品アイディア!

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木工造作  2階の巻

5月23日
日を追って木工工事が進みます
2階ではまず蔵の間にあっと驚く仕掛けが・・・・。窓の下に赤松の板壁を貼っています。

写真下左:当時の板の裏面  右:オイル塗装して磨いた表面


この板は厚さ4センチもあり、当時(明治35年の蔵で)使用していた古材である。
大きさもそのままはめ込んでいる。
下から積み上げて最後の一枚をはめ込む瞬間が、息をのむ手際です。
写真下左:大工の原口さんは最後の微調整。東と北の窓の下に設置されました。お見事!
30才若ければきっと大工志願したくなるだろう

夫のデスクを作り付ける

当初の図面では、現在使用中のデスク(次男の勉強机)を置く予定でした。
古材ボードの写真をメールで送ったところ、あまりのミラクルな趣に机を置かないことに決定。
ごみを出さない約束で移住の準備をすすめているというのに・・・。嬉しいとほほほ
小林棟梁の細工は流々、原口さんの作業は完璧。


柱にかませたボードの角はアールをつけ、下部には同じ材(杉の無垢)で支えを、そして
デスク左奥にはパソコン、プリンタ、電気スタンドなどのコードを差し込む穴を空けています。
目を離したスキに穴の形がひょうたんになっていました。
原口さんも私と一緒に遊んでいます。 写真下右:足元には小さな棚があり、後日支え材がつきます

来客用洗面トイレ
鏡に向かって左手にボックスが出来ました。棚が可動式になっています。面白い鏡を見つけてありますので、
お楽しみに!
写真右:小ぶりのカウンターです。ここのスペースは比較的広いので、いま流行のパウダールーム的に使えると
期待しているところです。
椅子なんか置いちゃったりして・・・・

2階納戸は蔵の間に続いている。
現在使用中の衣装ケースもタンスも押入れタンス(一時期流行したあれです)も有効活用し、なおかつ来客用寝具をシンプルに収める。留守を守る大阪の夫が精密な図面を送ってきたおかげで、無駄のない納戸となった。


6月22日 2階の木工工事が終わりました

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興味津々 和風エントランス

蔵戸の存在に驚いていると、ポストも負けじと存在感をだしている。
寒い地方だから、冬の朝新聞を取りに行くのは辛いなあ。しかも重厚な戸を開けて・・・・
心配ご無用、そこはちゃんと考えられていました。

まずは写真左:
ポーチの壁にあるスライド式ポスト。A4サイズが縦に投入できます。
郵便屋さん、閉めるの忘れないでください。
写真右:
屋内の受け口から吊りさげた布を通過して、ストンとカウンターに落下する仕組みです
想像できましたか?ちょっと笑っちゃうでしょう。
スライドドアを開けたら「おおきに!」か「まいど!」の文字、
または「にこにこマーク」か「ウインク」の顔のイラストでも掛けましょうか

結局は同じ材で揺れる内ぶたを作っていただきました

ポーチの壁は外壁とは違う色合いにしようと、棟梁も左官屋さんも提案します。
どうも想像ができないのですが、蔵戸の重厚感とマッチさせるためでもありそうです。
そこで左官屋さんが調合してくれました。変化を見ます。

写真左:6月14日練って延ばした状態  写真右:6月15日 乾いて色が明るくなった
屋内写真なのでピンク系に見えるが、すこし緑を含んだベージュ色です。
こうして変化を見ていたのですが、やはり外壁と同じ白色のシンプルな仕上げにしようと思い始めている。
Simple is best の我が家の家訓に合う。

6月18日下地(モルタル仕上げ)の壁塗りが終わった状態
蔵戸との色彩関係はどうだろう?
ポーチと戸を開けた時の土間とホールとの関係はいかがなものか?

壁一面が白だと、たしかにシンプルではあるが、樋のない屋根からの雨水の跳ね返りで汚れる心配がある。
落下位置に石を敷き詰めて防止できるのか?
それとも腰部分をグレーにするか?それはモダンさに欠けるような感じがする。
エントランスだけでなく全体に思いが及ぶのである。
う~ん悩むところです。

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6月の訪問者

もう18日だというのにさっぱり雨が降らず、庭に植えた記念樹の栗や頂いたアジサイ、もみじが
しっかり移植できたか心配です。
柱や梁を磨きに来た次男に、水撒きをの応援を頼む

心霊写真のようだが、木の間にみえる頭が次男です。
やや短い洗車用のホースでかわいそうな植物に散水中

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階段箪笥仕様の食器ストッカー

5月下旬から木工造作が次々とはじまっています。
現場の中をあっちこっち移動して見学や撮影をする毎日が続く。
階段下に食器収納庫をつくってもらいます。材木は赤松。
現在利用の食器棚の採寸、そしてメーカーの食器ストッカーを参考に図面を書く
棟梁とああだこうだと相談しながら、使いやすいものを・・・・

こんな具合です
写真下左:手前に出ている板は実はテーブルで、どんな仕掛けがあるか楽しみに・・・・


ああだこうだと検討した結果、こんな配置になりました。詳しくは工程にあわせて掲載します。
取っ手金具は付けずにくぼみをつける予定です
棟梁はいつも楽しそうに造作しています。どうしてこんな楽しい仕事を若い人たちがしないのだろうと呟きます

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建築現場を離れて、上田市へ

5月末、現場を離れ電車でぶらぶらと上田市へ行きました。

民家のアイディアをもとめて
「北国街道」面影を残す柳町です。

写真左:まずは、瓦と木とアクリルで造った行灯。お店ごとに設置してあり、瓦が何重にも重なったものもありました。
写真右:こちらは現代風なセンスのよい照明器具。アイアンとガラスです。
どっしりとした木造建築に鉄のオブジェはよく似合います。


東京にもある有名なパン屋さん「ルヴァン」の店内
写真左:2階がカフェになっています。窓のそばでパンとほうじ茶で時間を過ごす。
低い梁に麻ひもで結んだ竹が、カーテンレールの役目をしている。薄い生地をかけておくと、さわやかな風に揺れそうです。
写真右:1階のトイレの上にダクトが見えます。後付け工事でしょう。漆喰を塗って隠すことなく
見せています。我が家のダクトにも採用をと考えましたが、もっと分量が多いので却下でした。


バスで足を伸ばして「穀蔵」へも。こちらもパン屋さん。
築200年だそうです。おおきなガラス窓が明るいカフェで焼きたてのチーズたっぷりパンを、紅茶とともにゆっくり頂きました。こちらは、パンの種類ごとに酵母を使い分けているとのことでした。
写真左:壁の一枚だけを色違いになっているのが、めずらしいと思いました。シンプルな部屋なら、応用したいところです。


写真左:チーズパン 食べたのは1個だけです
写真右:北海道産あずきをことこと煮ているアンパン

帰宅途中の小学生が「こんにちは」と元気よく挨拶をしてすれ違ってゆきます。懐かしい光景でした
赤いランドセルは、ラベルがはがれていました。「6年生?」「そうです!」最後まで活躍してほしい
右の男子は正しい田舎の小学生。照れながら撮影に応じてくれました

写真左:ひと駅先の「海野宿」へも行ってみました。平日のためか閑散としており、うだつの立派さだけが印象に残りました。


おまけ
市内を歩いていた時オレンジの物体が目をかすめ驚いていたら、消防署の職員が綱渡りの練習中でした。

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カーペンター

現場の道具には勿論のこぎり、のみ、ドリルほかいろいろありますが、注目したのはこれ!


ほうき、ちりとり、大ゴミ袋。つまり大工さんたちは一日の終わりには必ず作業場を掃いて、
掃除機をかけ養生して帰ります。
職人さんは道具を大切に扱います。同じくらい現場を整理整頓しています。素晴らしい。
写真上右:照明があちらこちらに用意されていて仕事がしやすい。形がいいでしょう

私のお気に入りはこのふたつ


墨壺は、むか~しは欅で出来ていて、雑誌によると、最近の古道具見直しでインテリアとして飾る人も
あるそうです。
これは真鍮のようにみえます。材木に数字をいれたり、建前の梁と柱のかみ合わせ番号や記号を書く
(墨いれ)時に使います。
写真上左は大工さんの靴、ここにあるのは外履き用。室内に入る時は必ず室内専用に履き替えます。
私も滑りにくいゴム底を用意して中に入っていますが、養生のためです。

「おおがね」と読みます。
水平垂直ライン指示器です。垂直指示をすると、ビームのように赤いラインが縦に現れます。
壁に接触していないところへ柱を立てる時に使い、水平はカウンターの高さを決める時に・・・
スグレモノ!

さて妻がにわかカーペンターに

2階の床に使うヒノキ板のオイル塗装をさせてもらいました。1枚使えない品があったため、4メートル×12センチを59枚。
液をよくまぜ、余分な汁をとって、軽く左右にふるように塗ります。
塗り終わると立てかけて乾燥させますが、何せ4メートルありますから、しなる。
ふらふらしながら2日がかりで完了しました。

時間があるときは、梁や柱を磨きます。
木綿のさらしが良いそうですが、私は使用済みメリヤスシャツを利用しています。磨けば磨くほどいいわけで、
絹ならもっといいそうです。
へそ出しではありません。カメラ、スケール、ペン、携帯電話を収納しているウエストポーチです(写真左)


写真上右は、きざきざ切れ端ヒノキを頂いて、磨きました。香りがよく、湿気取りにもなります。
アクセサリーといっしょに壁に飾ると、明るくなったような気(木)がします

30年愛用の目覚まし時計のスタンドの部分が欠けたまま、もうかれこれ20年くらいが経ちました。
かまぼこ板で細工しようかなと思いつつ、やっとこの度念願かない、現場に転がっている杉の端材で作りました。


工夫を重ねたサイドテーブル
2階に面白いサイドテーブルが欲しい。なんのことはない新聞雑誌、灰皿、コーヒーを置きたい台のことである。
松本市中町の「寒山」で見つけたアイアン・マガジンラックに、手持ちの、ぎったんばったん(乾燥でそっている)する
古材の裏に楔(落ちてる端材をサンドペーパーで磨いたもの)をボンドで貼ってビスどめし、ハイ完成!

W450 D210 H420 雑誌は脇から差し込む 

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木工造作  階段 ができたよ

5月19日、「気が散るといけねえだで、話かけんでくれや」
階段の制作は大変緻密!いつも朗らかな棟梁が真剣な眼差しで作業が開始しました。
板の材は赤松、蹴こみは松の集成材。材木はみんな無垢だが、ここだけは集成材です。

踊り場付近の”まわり”部分からスタート


ケコミがおさまると一段と立派になる。
写真下右:幾何学模様の刻みを見ていた時は、階段のどこかの模様かいな?とおもったが、これで納得。
下へ続く階段のふみ板とケコミ板の差込用でした

ワーォです。KONISHIkIさんがドッシンドッシン乗ってもびくともしない階段の出来上がり。妻は少女時代に2階の
ある家に住んだことがありますが、夫と息子達は初めてです。きっと大騒ぎで喜んでくれること請け合いです。
ケコミ板の美しい模様(木目)を出すための材だったのです


これで2階へ上がる見学は安心です。踊り場に腰かけて作業を見るのが好きです。
心地よい風と光を浴びトントン・グヮ~ン・ゴリゴリと作業音を聞きながら、しばし時間を過ごします。
子どもたちが小さい頃、3人で手をつないで、飽きもせず工事現場を覗いては時間を過ごしていました。
あの頃から工事現場が好きだったんだ。
あわてもののセミが、ときおり鈍い鳴き声をあげてる。

階段ができたおかげで、2階へ邪魔をしにゆくのが楽になりました。
ここからは手すりや装飾、周辺の造作が始まります。


上り口3段の手すりが出来ましたが、先端が少し飛び出ています。その角が少々とがっていました。常時住んでいる子どもは
慣れてくるのでしょうが、たまに遊びに来る子どもは頭をぶつけそうなので、老婆心かもしれませんが削ることにしました。

写真上右:2階ホールの手すりで、階段の真上になります。欄干と壁(ボード)の間の造作は
有明山の形をしているように見えます。

階段のトップです。形はどのようにも造れますが、ここは棟梁の勧めにより
ぐっとシンプルに抑えることになりました。さて仕上げはどんな風になるのか?

トップ拡大:後日細工ができれば、比較します。

上田市にある北国街道の民家再生のパンやさんへ、インテリアなど参考になるものを
探しに行った折の階段の手すりで、写真は敷居を再利用している。
我が家への応用は可能か?

高齢化対策として階上までの手すりを造りたいのですが、どうも装飾的
には付けたくない様子の棟梁。
後付は手間も経費もかかるので、ここは棟梁に折れていただきましょう。
「それならカーブのある木をみつけて、面白く作ろう」とのこと。さてどうなることやら。