7月27日 3日目の朝三俣山荘を6時発で黒部源流へ下る

岩苔乗越経由➡祖父岳(じいだけ)を越えて雲の平へ入る予定だった。
ところが左の直登コースの道にある水場を通ってしまった。

見上げると・・・・だめだ!
水に浸かり足元ずぶ濡れで靴が重くなる。
間違えたことにショックで参った。
すぐそばに予定のルートがあるのだから、修正はきくはずだが心が折れた。
雲の平へは断念。
三俣山荘へ戻る途中に軽い転倒を起こし、立ち上がる元気が失せてしまった。
しばらく休んでいたら、音もなく歩いてきた人影に顔をあげた眼前に、突然青年がいた。
まるで光輝く仏さまのようだった。
聞けば、三俣山荘から水晶小屋に移動中のスタッフだという
細い体に私のリュックと振り分け荷物で背負い、三俣山荘へ戻り届けてくれました。
気を取り直し一人でゆっくりと山荘へ戻る。
途中ポカリスエットを手にした若いおかみさんと、小学1年生の娘さんが青年と一緒に降りてきて
「お帰り~」の笑顔に、うっかり泣きそうになったが堪えた。
娘さんは小さい頃から夏は山荘で過ごし、付近一帯は自分の庭だという。
山荘入り口前のハイマツにいる鳥も迎えてくれた。

山荘に着くや、スタッフたちの「お帰り~」コールにずいぶん慰めていただきました。
今朝は合唱で「行ってらっしゃ~い」と送ってくださったのに。
自分で撤退を決めることは勇気がいるんですよ、と。
せっかく来たからと無理して事故につながることもあるそうな。
2階のサイフォンコーヒーを飲みに上がると「お帰り~」
「ただいま~。ちょっとね、ここのバーにまた来たくなってね」とニヤリ
皆さんありがとうさんでした。
明日から予想外の滞在になるとは予想だにせず、夜はふけました。